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千葉県野田の醤油 [ち]

千葉県野田で醤油が作られるようになったのは、古く戦国後期の永禄年間(1558―1569)にさかのぼる。
伝承によると「飯田市郎兵衛」の先祖が甲斐武田氏に豆油醤油を納め、「川中島御用溜醤油」と称したという。確実な記録では寛文元年(1661)に「高梨兵左衛門」という人が醤油作りを始め、翌年に「茂木七左衛門が味噌醸造を始めた」とある。それまで醤油は菱垣廻船や樽回船で関西から江戸に運ばれていたが、野田の醤油の生産量が高まるのにつれてそれに取って代わった。
 高梨兵左衛門と茂木佐平治の両家は明治に入って「野田醤油醸造組合」を結成し、併せて「野田商誘銀行」や「野田人車鉄道」「野田病院」などを設立して地域の振興に努めている。この間、同じ千葉県の銚子でも醤油作りが始まり競争が激化した。そこで野田を本拠とする高梨系と茂木系の醸造元は1917年(大正六)、大合同して「野田醤油株式会社」を設立した。このとき社長に就任したのが茂木七郎右衛門である。また200以上もあった商標のうち、高梨家の「甲子(きのえね)」と茂木家の「亀甲萬」が統一商標となり、それがこんにち広く知られる「キッコーマン」となっている。
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中尊寺 ちゅうそんじ [ち]

正式名称は天台宗東北大本山関山中尊寺。
寺伝によると創建は嘉祥三年(850)、円仁による弘台寿院とされる。長治二年(1105)、藤原清衡が前九年・後三年の役の死没者を弔うため堂塔伽藍を再建した。最盛期は堂宇40、僧坊300を数えたが、建武四年(1337)に発生した野火によって金色堂と経堂のみを残して全焼した。のちこの地を支配した伊達家が援助し、明治に入って本堂が再建されている。
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長里と短里 [ち]

漢の時代、約1.5mを1歩とし、360歩で1里とした。魏・晋もこれを継承しつつ、1歩約30㎝、300歩で1里とする短里も用いていた。漢制の1里は540m、魏・晋の短里は90mである。同じ「里」という単位でありがら二つの長さが生じたのは、漢制の長里は馬の歩長を基準に距離を表わすのに用い、魏・晋制の短里は人の歩幅を基準に建造物を測るのに適用したためだった。魏志倭人伝にいう「東南至奴国百里」は距離なので長里で5~6㎞、「大作冢徑百餘歩」とされる卑弥呼の墓は建造物なので短里で差し渡し90m前後ということになる。
タグ:序叙 考証
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中古音 [ち]

南北時代の南朝の中国宮廷語。
晋が滅びたあと、華北が五胡十六国の興亡を繰り返し、隋が全土を統一するまで(4~6世紀)、日本列島の王権は中国江南の王朝と関係を持った。中古音では「行」を〔コウ〕と発音する。また江南地方特有の音(訛り)も入ってきた。「梅」を〔メイ〕(上古音では〔バイ〕)、「馬」を〔マ〕(同〔バ〕)と発音する類である。ちなみに五世紀までの日本人は「m」で始まる単語をうまく発声できなかった。唇をいったん閉ざしてから「n」を付けた。このために「梅」は〔nメイ〕(ウメ)、「馬」は〔nマ〕(ウマ)になった。
タグ:序叙 用語
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奝然 ちようねん [ち]

937~1016
藤原一族の東大寺の学僧
宋・太宗の雍熈元年(984)、日本からが海を渡り、中国の宋王朝に朝貢した。そのとき献じた『王年代記』という書物を献じた。
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陳寿 ちん・じゅ [ち]

233~297
字「承祚」
中国の巴西安漢(現四川省)に生まれた。父は蜀の馬謖の参謀、師は譙周(蜀が魏に降伏したとき蜀王朝側の代表となった)。このため魏が滅ぶまで登用されることがなかった。魏のあとに王朝を開いた晋の空司(三公の一)張華がその才を認め佐著作郎、次いで著作郎(史書を司る)に任じた。このとき魏・呉・蜀の歴史書『三国志』を著した。張華は『三国志』を高く評価して陳寿を中書郎(詔書)を作成する官)に推挙したが、出自が災いして御史治書(官吏の不正を弾劾する)にとどまった。のち誹謗中傷にあって中央官界から遠のき、太子中庶子(皇太子宮執事)に任じられたが就任せず没した。
陳寿は『三国志』を著すに当って『魏書』『魏略』『魏尚書』『魏氏春秋』『漢晋春秋』『呉書』『呉録』『蜀記』などを盛んに引用した。彼の場合、自らは蜀こそ漢王朝の天命を受け継ぐ正統であると考えていたが、後漢朝を簒奪した魏朝の事跡を繕いつつ記述しなければならなかった。またかつ、現在の禄を食んでいるのは、その魏朝から禅譲の手続きで王権を手にした司馬氏の晋王朝だった。そうした複雑な事情と記事に登場する人々の子や孫が生存している同時代史を描く困難を陳寿は背負っていた。
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